第94巻 牛肉の切実 美味しんぼ探偵団 by ぐるラビ
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第94巻 牛肉の切実
米国産牛肉の輸入再開のニュースが流れる。山岡たちは、日本政府がアメリカ政府に対して弱腰のために、生後２０ヶ月以下の牛から特定部位を取り除いたものなら輸入再開するという大幅譲歩について皆で話し合っている。そこへ松川が現れ、我が家では、牛肉問題で崩壊寸前なんだと話し出す。 松川の妻メリーは、アメリカ人が問題なく食べている牛肉を危険だと騒ぐ日本人は、感情的で科学的でないと激高しているのだと言う。そこへ、ブラックの妻テルエも現れる。テルエは、ブラックが高座で落語をしているときに、観客からアメリカ産の牛肉のことで皮肉たっぷりの野次を飛ばされ、すっかり日本人のつもりのブラックは落ち込んでいると話す。そんなところへ、小泉が飛び込んできて、飛沢と難波が大変なことを始めたからすぐきてくれと呼びに来る。山岡た ちが駆けつけてみると、飛沢たち二人は、米国産牛肉の不買運動キャンペーンを行っている。小泉が二人に注意しても、国民の健康が危機にさらさているときに何が社の名誉だと意気軒昂である。 すると、また山岡たちに来客がある。メンバーは、前回BSE問題のときに集まったメンバーで、米国産牛肉輸入再開された件で東西新聞に力を貸して欲しいという依頼を話す。アメリカの牛肉の問題が一気に重なって噴出して山岡たちも頭を抱える。 さて、飛沢から話を聞いた雄山は、山岡たちにこの問題をもっと切実に考えるために銀座の｢ニューヨークステーキハウス｣に行くようにと伝える。雄山の言葉に反発しながらも出向いた｢ニューヨークステーキハウス｣で、山岡たちは店を閉めようと思うという店主の言葉に驚く。店主は、自分の店の料理は米国産牛肉があってこそ成り立つが、今回米国産牛肉が輸入再開されたことで、絶対に安全だと言って客に出せないのでおしまいにするというのである。 そこへ雄山が登場する。そして、山岡に牛肉がこんな状態にあるときに何故｢究極のメニュー｣が完成できるのかと質す。山岡が雄山に逆に自分は何をしているのかと問うと、雄山は私はすでに対処を始めていると答えるのだった。 山岡は飛沢と難波に米国産牛肉不食不買運動を止めろとは言わないが、BSE問題はそんなに単純な問題ではないと話す。それに対し、二人はいかにアメリカが米国産牛肉の安全のために何もしていないか、また日本政府がアメリカ政府の外圧にどのように弱いかをとうとうと述べ、反論する。すると、山岡は飛沢にお前たちの不食不買運動は、雄山の趣旨にかなうものかを聞いてみろと話す。 飛沢が、国産の牛肉は全頭検査をしていて安全だから米国産牛肉の不食不買運動をしていると話すと、雄山は、お前はなんと考えの浅い男だと評す。雄山の言葉を聞いて、飛沢は、では国産の牛肉も安全ではないのかと驚く。 山岡とゆう子は、あらためて飛沢と難波に国産牛肉の現状について説明する。それによると、日本では全頭検査が行われていても、その検査内容に問題 があるので、完全な安全性を保障するものとはいえないことがわかる。さらに、食肉処理の問題もあるので、国産牛肉が安全とは言い切れないことに二人も気づく。ではどんな牛肉を食べたらよいのかと飛沢は困り果てる。それに対し、山岡は雄山の対処の方法がわかったと話す。 後日、前回のBSE問題のメンバーが集められる。一同を前にして、山岡は、米国産牛肉、国産牛肉どちらにも問題があると切り出す。したがって、安全な牛肉を食べるには、ひとつは安全が確認されているオーストラリア産の牛肉を食べること。もう一つは、国内で飼育の仕方が安全であるとわかっている飼育上の牛を選ぶことだと話す。そんな事は一般消費者には無理だという声が上がるが、いくつかのスーパーがよい飼育場と処理場を確保する動きを始めていると説明される。米国産牛肉に関しては、日本の消費者が信頼できるような生産体制を作ってもらいたいと繰り返し言いたいが、現状では信頼できないので安全な食べ物が供給されない限り拒否する権利があると山岡は話す。そして、我々消費者は、食べ物の安全性についてしっかり考えることが必要だとまとめるのだった。 その夜、松川、メリー、テルエ、ブラックも一緒にスキヤキを皆で食べ、安全なものを食べようと仲良く合意する。一方、雄山を訪れた飛沢は、先生のところのような安全な肉が日本中で食べられるように自分たちが努力すると決意を表明するのだった。 |
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