天ぷらの伝来 和食探偵団 by ぐるラビ
天ぷらの伝来「てんぷら」は日本独特の揚げ物料理のようですが、実は遠く安土桃山時代にキリスト教の宣教師と共に渡来した南蛮料理の一種であります。種子島に鉄砲が伝来したのが1543年。 かのフランシスコ・ザビエルの来日したのが1549年ですから、てんぷらが日本に伝わったのもこの頃といっていいでしょう。 さて、「てんぷら」の語源ですが、キリスト教の宗教用語で四句節のことを、「クアトロ・テンプラシ」と言います。 この四句節には、キリスト教の信者はキリストの受難をしのび、節食したり、肉を食べない習わしがありました。 四句節に肉を避け、魚のフライなどを食べるこの習慣が、日本のキリシタンの間にも広まり、いつしか「クアトロ・テンプラシ」から転じて、魚の揚げ物料理のことを「てんぷら」と呼ぶようになったといわれています。 この語源にはいろいろな諸説があります。 ともあれ、てんぷらが渡来して450年。 素材を活かし、おいしさに工夫をこらした先人たちの努力により、日本が最初に知った西洋の味「てんぷら」は、今や世界中でもっとも好まれる日本の味にまでなってきました。
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