【特集】神の雫: 神咲豊多香氏の遺言  ワイン探偵団 by ぐるラビ

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【特集】神の雫: 神咲豊多香氏の遺言

【特集】神の雫: 神咲豊多香氏の遺言

ワインの真髄を語る13本の選ばれしワイン。

物語のメインテーマである「神の雫」と「十二使徒」。
その幻のワイン探しの旅が始まるきっかけとなったのが、主人公「神咲雫(かんざきしずく)」の父であり、偉大で高名なワイン評論家「神咲豊多香(かんざきゆたか)」氏の残した遺言状。

私のすべてを継ぐべき者へこの文章をしたためる。

私は50年余にわたり世界のあらゆるヴィンテージのあらゆるワインを飲み続けてきた。
それは心躍る出逢いの旅でありながら、羅針盤のない長く苦しい航海でもあった。

ワインとは何か。

何故に数千年の永きにわたり、あの芳醇な香りを放つ美しい液体は人類を虜にし続けてきたのか?
その問いかけはあまりに茫漠とし、私を魅了しつつも悩ませてきたのである。
しかし今、死を前にして私は、ようやく旅の終着点に待つ大いなる問いかけの答えに辿り着くことができたような気がする。

天・地・人

総てがひとつに調和する中で生み出されるワインは、単なる酒ではなく、一編の名作であり、一枚の名画である。
しかし、いかなる名作、名画にも完全無欠なものなど存在しない。
ワインもしかり。
いや、何の欠点もない完全無欠のワインなどというものが仮に存在したとして、それは果たして何物にも優るワインなのだろうか。
少なくとも私が飲んできたワインという飲み物は、もっと不完全で、それ故に欠点を補ってあまりある魅力に溢れていた。

ワインとは何ぞや

この問いかけに私が到達した答えをただ言葉のみで表現するのは難しい。
したがって私はその答えをいくつかの神々しいワインの味わいにたとえることで伝えようと試みることにした。

【特集】神の雫: 神咲豊多香氏の遺言

今、私の脳裏に浮かぶ12本のワイン。
あたかもキリストを讃える12人の使徒たちのごとく、それぞれ欠くべからざる役割を有している。
伝説的な完成度を見せるワインは数多くあるが、私の選んだ12本の使徒たちは、完成度を競うものではない。
私がワインに求めるもっとも大事な存在理由(レゾンデートル)をあえて12のピースに分け、それを表現しうるワインこそが選び抜いた十二使徒なのだ。

そして、これらの十二使徒を従えながら超然とした孤高の光を永遠とも思える歳月にわたり放ち続ける1本こそが、私の求める天上のワイン、「神の雫」なのである。

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